D2C分析

アフィリエイターを”駆使”してD2Cをグロースさせる方法

アフィリエイターを使ってビジネスを伸ばすことはD2C領域のビジネスにおいて多く見られるようになってきました。

しかし、アフィリエイターを使えば誰でもビジネスが伸びると思いがちで実際にはうまく活用できる事業者は稀です。

どのようにしたらアフィリエイターをうまく活用してビジネスを伸ばせるか考えましょう。

ここでは、アフィリエイトビジネスを展開する人をアフィリエイターといいます。

アフィリエイトは2パターン存在

アフィリエイトにはSEOアフィリエイトとアドアフィリエイトの2つが存在します。最近はInstagramアフィリエイトというカテゴリも出てきていますが今回は下記2点についてお話します。

  1. SEOアフィリエイト
  2. アドアフィリエイト

まず、SEOアフィリエイトについて説明します。SEOアフィリエイトはアフィリエイトのなかでも長く存在しておりアフィリエイトというとSEOアフィリエイトのことを指すことが長かったように思います。

SEOアフィリエイトはGoogleやYahoo!で検索したときに、表示されるサイトをクリックしてクリックしたページに表示されているバナーやテキストリンク経由で商品購入やサイト登録をすると成果になり、アフィリエイターに報酬が支払われます。

例えば、青汁を検索したときに青汁についてまとめたサイトが表示され、そのサイトから購入をするとアフィエイターが青汁を売ったことになり青汁の会社からASPを介してアフィリエイターにお金が支払われます。

検索結果経由で購入されるものがSEOアフィリエイトとおぼえておいてください。SEOとはSearch Engine Optimizationのことで、検索最適化のことを指します。

次にアドアフィリエイトについて説明します。アドアフィリエイトとはアフィリエイト報酬を得るために広告費をアフィリエイターが支払って商品を売ったり、サービスへ登録を誘導したりすることです。

SEOアフィリエイトが最盛期だったときもPPCアフィリエイトとよばれリスティング広告を出稿してアフィリエイトを行なう事業者はそれなりにいました。

昨今は広告プラットフォームが発達したことによって、Google、Yahoo!、LINE、Facebook(Instagram)、TikTok、Twitterなどで広告表示でるようになりアドアフィリエイトの幅が広がりました。

それに伴ってアドアフィリエイターの裾野がひろがり、いまではSEOアフィリエイトよりもアドアフィリエイトで商品が売れています。

広告費をコストとしてかけているのでアドアフィリエイトのほうが商品が売れるのは当然ともいえます。

アドアフィリエイトでは特に記事LP(ランディングページ)と呼ばれる手法が盛んになり、出稿量が増えています。

アドアフィリエイターは影響力をもつ

今の流れでアドアフィリエイトが勢いをましていることが分かったかと思います。

アドアフィリエイターが注力して取り組む案件となればその商品は売れて、アフィリエイターが注力しない商品であれば、なかなか売れないというのが今のD2Cの実情であるといえます。

インフルエンサーや地道なマーケティングによっても売れる商品もありますが、再現性という観点で、アドアフィリエイトは優れた売り方と言えます。

アドアフィリエイターも有名な企業や集団がでてきており、育毛剤などでは特定の企業がアフィリエイトによって販売しているシェアが大きくなっています。

単年で見ると育毛剤を販売している会社よりアフィリエイトを行っている広告代理店のほうが利益がでていることも珍しくありません。

アフィリエイター側は常に複数の企業の商材を抱えて、また複数の広告プラットフォームを活用しています。

そのため、売り方を熟知しており、企業側もアフィリエイターに依頼する形となっております。

単価設定が重要

単価設定についてはアフィリエイトにおいて重要です。アフィリエイターは単価が高い案件でないとそもそも取り組みません。

単価が低い案件では利益がでないので取り組む意味がありません。

そのため、単価は競合よりも同じもしくは高い価格に設定しないとアフィリエイターが取り組んでくれないという事情があります。

そして競合商品はCVRも高くなっているため、すでに有名な商品に取り組んだほうがアフィリエイターも儲かりますので売り始めたばかりの商品をアフィリエイトで売るのは苦労します。

単価はできるだけ高く設定しておくのがよいです。特にアドアフィリエイトの場合はMAXとまではいかなくても最初からMAX近い単価を提示しておくのがよいです。

SEOアフィリエイトは特別単価と通常単価を大きくかえていてもよいですが、アドアフィリエイトは特別単価と通常単価の差はあまりないのが普通です。

ASPのマージンを考慮せよ

さて、アドアフィリエイトもSEOアフィリエイトもそうですが、ASPにマージンを抜かれる形となります。マージンとは仲介をしたのでその分の報酬をASPにわたります。

SEOアフィリエイトであれば広告主が払うフィーの30%くらいと大きいです。一方、アドアフィリエイトの場合、件数も多いことから、1回のコンバージョンで500円と設定されています。(500円というのは一例です)

これは企業によって違うので確認しましょう。

ASPの具体的な企業名

ASPについては、a8やafbやfelmat、バリューコマースやアクセストレードといったSEOをメインにやってきたASPからLink-AやZucksやレントラックスや、サルクルーやセレスといったアドアフィリエイトを主体にやってきているASPと様々です。

またレントラックスなどはアドもSEOもバランスよくやっているクローズドASPの印象をもっています。

ASPは100社以上あるといわれており、それぞれに強みがあります。

しかし、自社で管理画面の開発をしていないASPもあり、そうした企業はなかなか新規で参入していくのが厳しいと思われるので今後、ASPも淘汰されていくのではと思われます。

媒体ごとに強いアフィリエイター

媒体ごとに得意不得意がアフィリエイターにもあります。SEOが得意な人もいればアドが得意な人もいるようにアドであってもリスティングなのかアドネットワークなのかYouTubeなのかと様々です。

アドについては、Facebook、Gunosy、Smartnewsなど様々なプラットフォームがあるのが実情です。

こうしたプラットフォームの特性を理解したうえでどのプラットフォームと相性がよさそうかは事前に仮説をもっておくとよいでしょう。

商材ごとに強いアフィリエイター

アフィリエイターも商材に得意不得意があります。コスメに強いアフィリエイターもいれば、ダイエットサプリに強いアフィリエイターもいれば、シャンプーに強いアフィリエイターもいます。

どの商材もまんべんなくできるといっている人もいますが、収益でみるとどこかに偏っていることが多いです。

そのためどの商材が得意でかつ実績があるかを確認しておくとよいでしょう。

薬機法を無視したアフィリエイターに注意せよ

薬機法を無視して、強引に売ろうとするアフィリエイターも存在します。そうしたアフィリエイターには要注意です。

薬機法を無視した売り方をされて困るのは広告主になります。ブランドの毀損となりますので注意しましょう。

薬機法通報窓口

逮捕者が出ている現状

ステラ漢方事件という会社は広告運用で代理店とともに逮捕された会社です。訴求を薬機法を超える範囲でおこなっていたため逮捕にいたりました。

少なからず薬機法を守ってない会社はたくさんありますが、あまりにも悪質な場合は逮捕されることがあります。

異例の摘発、体験談のような“記事型広告”で「広告主も逮捕」…放置される「フェイク広告」、防止策は?

知識がなかったでは済まされない領域なので必ず勉強する、そして法務の確認をあおぐなどしましょう。

アフィリエイトはスピードも大事なので確認とっていたら進まないという意見もありますが、薬機法を守っていなかったら元も子もないですし、薬機法を守ってなければ広告アカウントが停止されるのでアフィリエイター側にとっても薬機法をまもることは今後重要になってきます。

アフィリエイターに頼るのはブーストするときのみがベスト

アフィリエイターと正しくパートナーシップを組むことができれば、売上を大きく伸ばせる可能性があります。その際は、売上を拡大するフェーズでアフィリエイターの活用ができるのがベストです。

獲得数は自社運用だけだと限界があるのとリスク分散の観点で完全に自社運用に寄せるのは危険ですので、分散の意味でもアフィリエイターに頼みましょう。アフィリエイターによって認知度や獲得数が伸びたブランドは多く存在します。

一方でブランド認知がついてからアフィリエイターに頼りすぎるとコントロールがきかなくなるのでブランドを一気にのばしたいときにうまくパートナーシップが組めるとよいでしょう。

アフィリエイターにはベストプラクティスを共有せよ

アフィリエイターには自社のノウハウを共有しましょう。ノウハウを共有しないとアフィリエイターが取り組んでくれず獲得数ものびないため、ノウハウがあれば出して、素材も共有しましょう。

情報を開示しない広告主は嫌われてしまいます。

自社運用に切り替えるか、予算型運用への切り替えを目指す

途中からは自社でできるだけ運用するか、代理店に対して予算を渡して運用してもらう形がよいといえます。自社で完結するとよいですが自社で運用人材が育っていない現状があるため、自社運用の人材に限界がある場合は代理店への依頼をしていきましょう。

色々な方法がありますがアフィリエイターをうまく付き合っていくとよいでしょう。