D2C企業を悩ませるのが資金調達問題です。IT業界やWEB業界は在庫という概念がないため、システム開発のための人件費を除くと先行投資がありません。
しかし、D2Cは在庫を抱えることになるため、基本的には、前金で支払いになります。入金があるまでのタイムラグがあるため資金調達がビジネス戦略における肝となってきます。
完全受注生産という方式も高価なアクセサリーなどでは適用することができますが、在庫を先に生産することが一般的です。
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後払いの適用ができないか交渉する
OEMに製造を委託することになりますが、支払いの方法を納品後翌月末払いという形にできれば理想ですが、最初は前受金という形になるでしょう。
OEM側も小ロットで名もなき企業の商品を作るため、前受金という形で進めないとなかなか難しい現状があります。
後払いにできるタイミングを確認
しかし、取引額や取引回数が増えてくると、信用ができるので製造後の後払いという形に変わってきます。最初の取引の段階で少量のうちは前受金で承諾して、どういう条件で納品後払いにできるかを確認しましょう。
納品後後払いになるだけで資金調達の難易度と緊急性が大きく変わってきます。
処方のOEM以外にも容器や箱をOEMとは別に発注する場合は、会社ごとに粘り強く交渉するとよいでしょう。
特にOEMや容器メーカーは社長決済になることが多いため社長と直接つながり、納品後払いにしても取引に影響がないということを伝えるとよいと思います。
在庫のリードタイムを検討
在庫のリードタイム予測は多くのD2C企業が苦労している点です。商材によりますが、食品であれば賞味期限があるため大量に作りすぎてしまっては保管が難しくなりますし、逆に作りすぎなかったら売上を得る機会を逸してしまいます。
また食品でなくても形状が大きくて、保管コストがかかるものもあるので在庫の作りすぎには注意です。
理想は生産が終わったらすぐに売れる状態が理想ですが現実にはそうはいきません。
正確な売上予測と在庫管理が一体となってビジネスを伸ばす在庫管理ができます。
資材調達のリスクを考える
資材調達におけるリスクも近年は重要になってきています。例えばプラスチックの容器は世界的な需要増に応じるために供給が追いつかなくなってきています。
他にもD2C事業者体が増えたことによってOEMの供給が追いつかなくなってしまい、生産ラインが逼迫してしまい製造までのリードがかかってしまっている現実があります。
資材調達そして、OEMの充填のところまで考えると製造のリスクのところをうまくマネジメントできるか検討しましょう。
例えば売上が伸びたときに工場を買収して自社製造にきりかえるなどの選択肢をとります。ちなみに大手企業であっても、アイライナーだけはOEMに頼み、他のコスメラインは自社製造といったこともあります。
D2Cはこうした資材の部分の面を軽視する経営者が多いので気をつけましょう。
エクイティファイナンスはできるだけ避ける
最近はD2C事業者が上場する例がアメリカで増えてきており、日本もその機運が高まってきています。
最近もWaqooが上場しましたし、北の達人は高利益で上場企業として成長しています。
しかしながら高利益率を維持する事業にするためには、期間と売上規模が必要になってくるため、事業開始から上場までは時間がかかります。
トリコのようにポーラに買収されるというパターンもありますがハイバリュエーションを正当化する材料はなかなかないのが現状です。
株式での資金調達は最初は避けて銀行借入れではじめるのがよいでしょう。エクイティファイナンスする場合もエンジェルから集めるような形にしましょう。
売上が在庫によって予測できてしまうため、大きな夢を投資家に見せるのも難しいです。劇的に集客費を下げるなどができれば企業価値を高めることはできるかもしれません。
OEMからの出資はあり
昨今はOEMの力が強くなってきています。OEMから出資をうけるとOEMも作るだけではなく継続的に供給することが、投資先の企業価値の工場につながりひいてはOEMの企業価値の向上につなげることができます。製造の肝となるOEMの部分と資本関係をもつことは事業をすすめるうえで有利となるでしょう。
実際にサティス製薬などはMEDULLAを展開するSpartyに出資をおこなっております。
デットファイナンスのタイミングを検討
デットファイナンスとは銀行融資のことですが、D2Cは在庫発注などで一気に現金がなくなっていくので、現金があるうちに、銀行融資を受けておくとよいでしょう。
製造費用であれば融資もおりやすいので製造の前に融資をうけておくとよいでしょう。アフィリエイトや定期通販で収益をあげていくというモデルがD2Cの事業モデルとなっていますが、そこで融資を依頼すると説明に時間もかかるので製造という名目で融資をうけたほうがよいでしょう。
デットファイナンスで伸ばすD2C事業者体も多いですし、株式を100%もっておいたほうが今後の事業をすすめるうえでもよいでしょう。
在庫に対して資金調達も可能
レアですが、保有している在庫を動産価値として評価して、融資してもらえるパターンもあります。製造して売れなくなった場合もあるとおもいますが、在庫をなんとか資金調達に変えることができないかは最後の手段となると思います。
D2Cは資金調達を正しく行なうことが成功の鍵
D2Cビジネスはお金がかかりますのでミスなくコツコツ積み上げていけるようにするとよいでしょう。