D2C分析

D2Cブランドの初期のグロース

D2Cブランドを立ち上げると大体の方がぶちあたるのは、最初の顧客獲得です。途中からは広告を打って、アフィリエイトを使ってとある程度公式化された手法をとることができますが、一番最初の売上を作ることは難しいのが実情です。

最初は友達に売る

よくあるパターンは最初は友人、知人に売るパターンです。

たとえ、友達関係だからということで買ってもらったとしても、実際に売れると会社としても勢いがつくので一番最初に友人に販売していくのは悪いことではありません。

友人による購入も良いパターンとあまり良いとはいえないパターンの2つにわかれます。

友人自体がターゲットの商品であれば継続的に使ってくれる可能性もありますし、口コミもしやすいです。

一方、若手男性社長が経営する会社が、高齢者向けのサプリや女性向け妊活サプリを販売したとしても友人は最初は買ってくれるものも継続して使ってくれることは難しいです。

また、サプリなどは実際の効果が不明瞭なものも多く、実際にSNSにアップしてくれることも少ないのが現実です。

影響力のある友人がいる場合はうまく活用できると、一気に商品の認知度があがることもあります。

特に友人が自腹で買ってくれた場合はPRタグもつけないですし、ステマにもならないので広告費をかけずにできます。20~30代向けの商材はいきなりアフィリエイトで売るのも難しいですし身近な人間関係から伸ばしていくことが大事です。

PRを活用した露出が重要

最初はPRで認知をとることが重要です。競合を出さないためにあえてステルス(大々的に会社がPRをせずにひっそりと)でやるパターンもありますが、基本的にはPRをしっかりとやっていくことが大事です。

まず、PRを他社に依頼する場合、相談する場合は発売前にできるだけしましょう

発売後しばらく時間がたってから、PRをしようとしてもネタの鮮度が落ちてしまうので、PRをする側としても材料がなくてPRがしにくくなってしまいます。

新発売というのはPRにおいていい材料となるので、新発売のタイミングで露出をうまく設計するようにしましょう。発売してからPRは動くのではなく発売する前から動くのが鉄則です。

多くの場合、発売準備に忙しくPRの仕込みが遅れてしまうので最初は業務委託で経験のあるPRパーソンを雇うようにしましょう。

PRは個人の業務委託であれば人脈をもっている人をうまく活用するのがよいでしょう。

自社でできることをやる

PRについては、自社でできるPRはやりましょう。ブログやnoteを書いて、TwitterやInstagramの個人アカウントもできるだけフォロワーを増やしておくとよいでしょう。

SNSは発売時は友人から応援してもらいやすく、フォロワーも増えていきますので最初にできることはやりましょう。

年齢が高めの女性であれば、アメブロもリーチするのにいい媒体となります。各論になりますが、アメブロをやっている事業者は少ないのでできるプラットフォームは使っていきましょう。

若者向けであればTikTokをやるなどターゲットに合わせたプラットフォーム選定をおこなうべきです。

計画は適宜修正を行なう

最初の販売は予想よりも売れないことが往々にしてあります。誰しもが経験することですので、焦る必要はありません。細かい単位で計画を変更することが大事です。

特に次の在庫発注のタイミングを後ろにずらすこともありますので、在庫管理を徹底して行なうようにしましょう。

広告費の投下もCPAが高くなると予想よりもお金が使えなくなりますので、CPAが合うタイミングで広告を投下していきましょう。

計画とは少し本質が逸れますが、ターゲットが変わることがあります。

20代女性向けに販売しようとしたら、実は50代に売れるということもあるので、ターゲットが変わったら売れた人に合わせて計画を考えることも重要です。

ブランド・マーケティングの世界では、顧客が高齢化した場合に若返りを目指したリブランディングをすることはあります。

しかし、D2Cの初期においては、売れた人に合わせて売上を増やそうとするのがセオリーです。

現金がなくなってしまったら事業が続けられませんので、現金を確保するようにつとめましょう。

在庫を抱えすぎない

先程、在庫についての話をしましたが、ついつい最初は売れると思って在庫を過剰に抱えることがあります。しかし、実際には計画より売れることは少ないので、想定よりも少ない在庫を抱えておくことが大事です

在庫は発注したら作れますので、どちらかといえば在庫が過剰になってしまうことの方が問題ですので、抑えめに考えていきましょう。

最初の顧客をアテにしすぎない

最初は新しいもの好きの方や友人が買ってくれますが、定期購入の場合、最初の顧客は意外と継続してくれません。

特に新しいもの好きの方は類似カテゴリのものがあれば他の商品にうつっていきますので、継続率は低いです。

友達も定期継続してくれる人はあまりいませんので、最初の顧客ではない顧客を獲得しはじめてからLTVを測定しましょう。

LTVとはLife Time Valueの略語で、1人の顧客がどれだけお金を使ってくれるかという指標です。LTVを高めるということは定期通販であれば解約されないというのが指標になりますので、解約率は追っていくことになります。

オーガニック流入の顧客を調べる

オーガニック流入とは、広告もかけずに、また自分の友人でもないところから購入してくれた顧客のことです。

オーガニック流入は誰かの口コミで購入することがほとんどですので、どういう方のどういう口コミから購入にいたったかをヒアリングしてみるといいでしょう。

顧客へのインタビューを実施すると、意外と見えなかったコミュニティで流行していることもあります。

そうしたコミュニティを見つけて、類似のコミュニティにサンプリングをすることもできますのでインタビューによってそういう情報を得ることが大事です。

自社で流入チャネルをもっていることが大事

最初の顧客獲得においてはコストをかけずに顧客を獲得できるチャネルをもっていることが大事です。

例えばInstagramやYouTubeといったチャネルでフォロワーや登録者数が多いものをもっていたら、そのアカウントを使って売るとある程度は売ることができます。

芸能人が自分プロデュースの商品を販売すると、自身のInstagramで告知をすると結構な人数の人が購入してくれますよね。

こうした実質的に集客コストをかけないチャネルをもっていると強いので、販売前にアカウントを育てておくとよいでしょう。

ちなみに、ブランドのアカウントがフォロワーが伸びることはなかなかないですので、個人のアカウントやまとめサイトのアカウントを作っておくとよいでしょう。

アカウントも伸びるアカウントと伸びないアカウントがあるので、伸びたアカウントに投資をしていくようにしましょう。

実質無料と言いましたが、投稿を作るにもお金はかかりますので、運用コストは実はかかってしまいます。

アフィリエイターとの情報を大事に

アフィリエイターはどの商材が売れているか、そしてどういう売り方をしたらよいかを熟知しているのでアフィリエイターに相談するとよいでしょう。

アフィリエイターはアフィリエイター同士でネットワークがあるので、今すぐ売れている商品の情報が入ってきます。

アフィリエイターに自社の商品の運用を依頼したら成果報酬が高めであれば運用をしてくれます。

めちゃめちゃ売るアフィリエイターとのコネクションがあるだけで大きく最初の伸びが違ってきます。凄腕のアフィリエイターが売っている商品は他のアフィリエイターも参入してくるので、どんどん売ってくる人が増えてきます。

リスクなく代理店を増やせるイメージなので、アフィリエイターを増やしていく施策は初期のうちから実施していくとよいでしょう。

ASPともうまく付き合っておく

ASPとはアフィリエイターに案件を依頼する代理店ですが、ASPも情報をもっており、かつ、アフィリエイターとのつながりもあります。

アフィリエイターとのつながりがない会社にとっては、ASPからの情報は貴重ですので色々なASPと契約するとよいでしょう。

ファンを創るか売上を伸ばすかを考える

ファンを創るか売上を伸ばすかを考えると書きましたが理想としてはどちらもやるのがよいです。しかし、アフィリエイターを活用すると売ることに重きが置かれがちでCRMが間に合わないので、ファンが増えるまもなくどんどん新規顧客がやってきます。

逆に、売上はそこまででも、今いる顧客をとにかく大事にしてちょっとずつ成長することができます。

火種がうまくついたらあとは投資

最初の売上ができたら指数関数的に伸びていくこともあるので、最初に広告費もあまり使わないで伸びたら広告費をどんどんかけて売っていくとよいでしょう。

このタイミングが難しいので経験がある方に相談していくと良いと思います。