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ECサイトの抱える悩み
EC業界は今急激に拡大しており、その市場規模も増加の一途を辿っています。
そのため、ECサイトさえ開設してしまえば顧客が自ら訪問してくれるということはまずありません。
また、ECは技術の発展と共に変化する業界で、次々と新しいツールやサービスや生まれています。
ECサイトの運営者はその変化に対応し顧客に自社サイトを選んでもらうために、常にサイトの改善に取り組む必要があります。
しかし、闇雲に新しいものに手を出したりするのではなく、自社の課題や目標を明確にした上で、様々な選択肢から最適な方法を判断して実行する必要があります。
また、一体どのように改善すれば良いか分からない方やそもそも課題や改善すべきポイントが明確でなく困っている方もいらっしゃると思います。
ECサイトの抱える悩みは商材やビジネスモデルにより様々ですが、ECサイト全般でよくある課題は大きく3つあります。
1つ目は集客ができていないということで、これが最もよくある課題です。
Shopifyなどを利用した自社サイトでの出店は楽天などのモール型と異なり、自ら集客を行いサイト訪問者を増やす必要があります。
ECが流行っているから始めれば売れるだろうという考えで開設したものの、お客さんが集まらないという状態は、EC初心者の方がよく陥りがちなケースです。
ECサイトはネット上で商品やサービスを販売するツールでしかなく、ストアを開設したからといって自然とお客さんが来るということはありません。
そのため、自社の商品やターゲットを分析しECサイトの運用の目的を定めた上で、それに対して有効な方法で積極的に集客を行う必要があります。
集客力が低い場合の原因として考えられることは「ターゲットの設定が適切でない」「商品の訴求点が伝わっていない」「SEO対策の不足」「広告宣伝の不足」などがあげられます。
2つ目は再訪率が悪いということです。
ECでは競合となるサイトも多く比較検討が容易なため、一回の訪問でユーザーが購入に至ることはあまりありません。
そのため、一度は訪問してもらえたとしても、2回以上訪問してもらえないと購入に繋げることは難しいでしょう。
再訪率が低い原因として考えられるものは、「コンテンツの内容が薄い」「商品自体に魅力が感じられない」「顧客とのコミュニケーション不足」などがあげれられます。
3つ目はCVRが悪いということです。
CVRとは、Conversion Rateの略でCVを何と定めるかにより異なりますが、ECサイトの場合はサイト訪問者の何割が購入に至ったかを示す割合です。
多くの人にサイトを訪問してもらえていても、購入に至らなければ売上は上がりません。
CVRが低い原因として考えられるものは、「サイトの信頼度が低い」「購入までの導線がわかりづらい」などがあげられます。
商品を魅力的に見せつつ、ユーザーの疑問を曖昧にせずしっかりと解消できるような情報提供を行い信頼関係を築くことが重要です。
ここまで、3つの課題を例にあげましたが、再訪率もCVRもまずはサイトに人が集まらない限りはどうしようもありません。
だからこそ、「集客」はどのECサイトも抱えている優先的に取り組むべき重要な課題ということができます。
集客力の重要性
前章では、集客はECサイトが抱える最も悩ましい問題であるとご紹介しました。
本章では、なぜ集客が重要なのかより詳しく検討していきます。
集客力とは、「自社のサービスや商品を利用する顧客を集める力」を指します。
しかし、ただ自社のサイトや店舗に訪れてもらい一度購入してもらうだけではなく、商品・サービスの魅力を知り継続的に購入してもらうことが大切になります。
中長期的な視点で「人が集まってくる」状態を維持できてこそ集客力があるということができます。
つまり、集客力とは自社の商品やサービスを購入する見込みの高い人を集める力ということができます。
どんなに良い商品やサービスを作っても集客力がなければ売れることはありません。
もちろん商品・サービスの魅力は非常に重要ですが、それと同じくらい集客力も重要です。
集客力が重要である理由は売り上げに直結するからです。
売上は以下のような計算式で表すことができます。
売上=集客数(どのくらいの人が集まるか)×購入率(どのくらいの人が購入に至るか)
×顧客単価(いくら分購入するか)
この式からもわかるように、集客数を増やすことは売上を伸ばす大きなポイントです。
集客支援サービスを活用する
繰り返しにはなりますが、ECサイトでは商品のクオリティはもちろん重要ですが、それと同じくらい集客は重要であり、効率的な集客にはサイト集客に関する専門的な知識が必要不可欠です。
また、独学で知識をつけることも不可能ではありませんが、サイト運営者が自社のプロダクト開発や企画で手いっぱいになってしまい、サイトの運営や広告にまで手が回らないというケースは多くあります。
特にEC初心者の方にとっては、お金や時間など限られたリソースを効率的に分配することが重要です。
そこで、集客支援サービスを活用することも選択肢の1つです。
集客支援サービスとは、名前の通り集客に関する課題解決をサポートしてくれるサービスです。
特にECサイト専門の集客支援サービスでは、SEO集客やCVの強化、広告の運用などのサポートを行っています。
また、同じようなものでECコンサルタントに依頼する方法もあります。
ECコンサルタントは、自社ECサイトや大手モールなどにユーザーアクセス数を獲得し、売上や利益率を向上させるための戦略を提案する役割を担います。
ECコンサルタントは集客だけでなく、ECサイトに関わる様々な業務を請け負っています。
具体的には以下のような業務を請け負っています。
- EC戦略立案
- ECサイト構築
- SNS集客
- SEO対策
- サイト運営(商品管理やECサイトコンテンツ管理)
そのため、集客だけでなく、ECサイト全般に関して課題の発見からサポートしてほしいという方はECコンサルティングを依頼するとよいかもしれません。
集客支援サービス8選
まるっと集客
特徴
国内大手ASPと連携していて、LINEショッピングを始めとしたLINEメディアやGoogle広告、各種ポイントサイト/比較サイト/SEOサイトなどにShopifyの管理画面から簡単に商品掲載ができます。
「Shopifyの集客をカンタンに」をモットーに、通常は2週間かかるタグ導入がエンジニア不要でアプリ内のボタン一つで簡単に導入でき、全て管理画面から申請を完了することができます。
売上に連動した成果報酬で出稿することができるため、初心者の方の集客施策としてもまず挑戦しやすいでしょう。
料金・対応システム
<料金> 無料
<Shopify 対応可否> 否
まるっと集客:固定費0円で成果報酬集客(アフィリエイト連携)| Shopify アプリストア
Letro
特徴
Letroは購入者のレビュー投稿やInstagramへの口コミ投稿などのUGC生成を促すサービスです。
顧客の声を継続的かつ自動的に集め、それをサイトに掲載して得られる定量成果を元にすることで他の施策をより有効に実行することができます。
また、確実に成果を出すために専門のコンサルタントのサポートも受けることができます。
UGCを掲載しておしまいではなく、PDCAを回しながら軌道に乗るまでしっかりとしたサポートを受けることができます。
具体的な機能としては、以下のような点があります。
- ハッシュタグでインスタ投稿を自動収集・一括で許諾申請
- リアルな商品体験が伝わる投稿・レビューを自動的かつ継続的に生成
- リアルなお客様の声をサイトに掲載、UGCごとに効果計測
- ユーザー視点の広告クリエイティブをUGCで手軽に制作
料金・対応システム
<対応ECシステム> Shopify、 ecforce
<料金> 有料 初期費用+月額費用
利用する機能やサイトのセッション数などにより費用が異なるため要問い合わせ
Letro(レトロ)|ECの売上向上に直結するUGC活用ツールNo.1
EC Booster
特徴
Googleショッピング広告の自動運用による自社EC自動集客サービスです。
ECシステムと連携することで、Googleの検索結果に画像付きで自社商品を訴求することが可能です。
最短5分の簡単な初期設定のみで商品掲載が始められ、その後の運用も自動で行ってくれる手軽さが特徴です。
また、広告配信結果を簡単に把握できるダッシュボードを提供することで、EC運営者の意思決定を支援し、売上拡大に貢献します。
料金・対応システム
<Shopify対応可否>非対応
<対応ECシステム>
メルカート、ショップサーブ、らくうるカート、MakeShop、futureshop、COLOR ME
<料金>
料金 | 機能 | |
フリープラン | 無料 | ・簡単設定・自動運用でのGoogleの商品無料掲載・出向ステータスの自動通知・カイゼンカード |
広告掲載プラン | 最低日予算 1000円〜 | ・Googleの商品無料掲載・Googleショッピング広告掲載・広告成果、キーワード、商品別の結果が見られるダッシュボード |
BOOSTER SEO & IMAGE OPTIMIZER
特徴
ECサイトをSEOに最適化させるためのさまざまなチューニング機能やレポート機能が備わっているアプリです。
商品画像へのALTタグ付け、メタタグの最適化、読み込みスピードに影響する画像サイズの調整、brokenバックリンクの修正など、SEOに欠かせない基本的なサイトメンテナンスを行うことができます。
現在のサイト状況を一覧して見られるレポート機能も充実しています。
料金・対応システム
<Shopify対応可否> 可
<料金>
無料
$34(月額) プロプラン
$64 プレミアムプラン
BOOSTER SEO & IMAGE OPTIMIZER| Shopify アプリストア
ミエルカfor EC
特徴
EC事業者向けマーケティング支援ツール「ミエルカ for EC」を活用した自社ECサイト集客支援サービスです。
SEO・コンテンツマーケティング支援ツール「ミエルカ」とサイト改善ツール「ミエルカヒートマップ」、そしてWeb集客のプロによるサポートを組み合わせ、内製化で自社サイトの集客・CV改善をサポートするサービスです。
自社サイトの強み・弱みの把握や、Webユーザーの検索意図分析など基礎知識の習得のサポートを行っています。
料金・対応システム
<対応システム>
不明のため要問合わせ
<料金>
CROプラン 月額10万円(税別)
ライトプラン 月額10万円(税別)
スタンダードプラン 月額15万円(税別)
MIERUCA(ミエルカ)for EC ECサイト向け・SEO改善、コンバージョン改善ツール
集客ブースター
特徴
広告運用代理サービスで、Shopifyに特化した広告集客の「クリエイティブ制作/出稿/分析/改善」を一気通貫で提供しています。
成果報酬型であるため、売上が上がっていないのにコストがかかるということを避けることができます。
また、週1回のミーティングを行うことで、在庫やキャンペーンの状況に合わせてこまめに方針をすり合わせながら運用することができます。
料金・対応システム
<対応システム> Shopify
<料金> 広告費+売上の10%
株式会社arounds
特徴
株式会社ECHの完全子会社である株式会社aroundsが提供するEC運営代行サービスです。
「ファンを増やして結果を出す」をモットーに専属チームによる最適な運営をサポートしてくれます。
ECサイトの構築・運営経験は15年以上で、500社以上の運営を支援した実績があります。
大企業から中小企業まで、運営継続率は91%で、10年以上の契約クライアントも多数有しています。
具体的には新規サイト・既存サイトどちらも対応しており、サイト構築・サイトオープン後の広告運用・プロモーション・制作・更新業務など幅広い業務を依頼することができ、課題解決・売上アップを図ります。
突発的な売上ではなく、長期的なブランド戦略や売上増加を目標としている方にオススメのサービスです。
料金・対応システム
<対応システム>
不明のため要問い合わせ
<料金>
料金プラン | 料金 | 最低契約期間 |
月額固定プラン | 月額20万円〜 | 6ヶ月〜 |
成果報酬プラン | 月額固定費+成果報酬100万〜 | 1年間〜 |
ECサイト新規構築 | 100万〜 | 1年間〜 |
世界ヘボカン
特徴
世界ヘボカンは越境EC・海外Webマーケティング専門の会社です。
市場調査、戦略立案、マーケティング、英語によるSEO対策、サイト制作、改善、コンテンツマーケティング、リスティング広告、MA、CRM施策に至るまで提案・実装支援を行っています。
最大の特徴は、バイリンガルの日本人マネージャーと英語ネイティブの外国人マーケター、SEO・広告運用の専門家が1つのチームになってクライアントを支援する点です。
海外WEBマーケティングや越境ECに特化した外国人マーケターが現地の市場調査や競合調査を行います。
同社は海外Webマーケティングの実績が認められ、Shopifyから日本初の越境ECに特化したマーケティングエキスパートに認定されています。
越境EC事業の成熟ステップによって様々なソリューションを提供しています。
これから新たに越境ECを立ち上げたい方や立ち上げたものの売上が伸び悩んでいる方にオススメのサービスです。
料金・対応システム
<Shopify対応可否>可
<料金> 料金のお見積もりは問い合わせフォームよりご確認ください。
集客支援サービスを上手に活用する
ここまで、集客支援サービスについてご紹介しました。
集客支援サービスは様々な種類のものがあり、ECサイトの抱える課題や目標ごとに適したサービスは変わってきます。
そのため、課題が曖昧なまま、売上が伸びないからとりあえず集客支援サービスを活用しようとするとどのようにどれを選べば良いのか分からないと思います。
まずは、自社サイトの現状を整理し、課題の発見を行うと共に目標設定を行いその差分を認識することが重要です。
どのくらいの期間でどの数値をどの程度あげたいのかを明確にすることで、サービス利用後も効率的に集客に取り組むことができます。
集客支援サービスはあくまで集客のための手段であり、万能ではありません。
サイトの再訪率が低いのかCVRが悪いのかなどの課題を特定し、そしてその原因までしっかりと検討する必要があります。
多くの人がサイトを訪れてくれているのにCVRが低い場合は、購入までの導線が悪かったり、顧客を信頼を築けていないことが原因かもしれません。
原因まで検討した後に、どのような方針で改善を図るかを選択しましょう。
そうすることで、効率的に運営することができます。
集客力を自社で高めるには?
ここまで、集客支援サービスについてご紹介しました。
しかし、最初からサービスを利用するのはハードルが高いと感じる方や少しでも費用を抑えて運営したいという方もいらっしゃると思います。
もちろん必ずしも集客支援サービスを活用しなければいけないわけではありません。
自社でサイトを改善するには、まずは現状を分析し課題を特定することから始まります。
ECサイトの課題を見つける際のポイントは、以下の点に注目することです。
- アクセス数の多いページ
- アクセス数とCVRのバランス
何から手をつけるべきかわからなくなりがちですが、まずはこれらのページを分析することをお勧めします。
アクセス数の多いページ
アクセス数の多いページを分析することで、より効率的にサイトを改善することができます。
Webサイトへの流入経路は様々で、Web広告やSNSでのシェア、検索エンジンでの検索結果などがあります。
アクセス数の多いページへのサイト流入経路を分析し、最も効果的な流入経路をより強化することで、効果的なサイト改善の方針を定めることができます。
アクセス数とCVRの関係性
アクセス数が多いのにCVRが極端に低い場合やアクセス数が少ないのにCVRが高いなどの極端なページがある場合は、何かしらの課題や改善点があると考えられます。
アクセス数が多いのにも関わらずCVRが低いページの場合は、ユーザーは興味を抱いているものの何らかのマイナス要素で購入に至っていない可能性があります。
購入までの導線がユーザー目線で設計されているかや情報量の少なさから信用を獲得できていないのではないかなどを検討しましょう。
一方で、アクセス数が少ないのにCVRが高いページの場合は、このページのアクセス数を増やせばより効率的に売上を伸ばせる可能性があります。
ページに流入してきた経路や検索ワードを分析し改善することで、CVRを保ちつつアクセス数を伸ばすことができます。
また、現在ではSNSを用いた集客も主流になっており、自社でできる集客は多くあります。
SNS集客をはじめとする様々な集客方法や企業のECサイト集客の成功事例については以下の記事も合わせてご覧ください。