自社ECサイトを構築・運用できるECプラットフォームとして世界最大シェアを誇る「Shopify(ショッピファイ)」をご存じでしょうか。
低額ながらも豊富な機能とデザインを有することで人気を博し、日本でサービス開始した2017年以降は、国内での活用事例も増えてきています。
この記事の読者の方には、現在進行形でShopifyを利用している方も、Shopifyの利用を検討している方もいらっしゃるかと思います。
本記事ではShopifyの決済方法についてご紹介します。
どのような決済サービスを利用できるの?
決済手数料はどのくらいなの?
自社ECサイトにどの決済サービスを導入しようか考える際に、ぜひ参考にしていただければと思います。
Contents
どの決済方法が適切か
どのような決済サービスが導入できるかをご紹介する前に、大前提としてECサイトにおける決済の考え方について確認しましょう。
消費者目線でECにおける支払いを考えると、大きく3つに分けることができるでしょう。
- 商品を受け取る前にお金を払う(クレカ・コンビニ決済など)
- 商品を受け取ると同時にお金を払う(着払いなど)
- 商品を受け取ってからお金を払う(後払い)
最も普及されており、馴染みのあるのはクレジットカードによる支払いでしょうか。
事業者にとっては、決済手数料も低く、発送前に支払いを確認することができるため安心の決済方法です。
その一方で消費者サイドから見ると、支払ったにも関わらず商品が届かないリスクを感じることもあるでしょう。
また顧客層(高校生や大学生といった若年層、老年層)によってはクレジットカードを持っていない場合や、すすんで使いたがらないといった可能性があります。
自社のターゲット層の購買行動に応じた決済方法の設計は非常に重要です。
ECビジネスにおける決済方法については、こちらで詳細にご紹介しておりますので是非ご確認ください。
Shopifyで利用できる決済サービス一覧
引用:Shopify 公式ページより
Shopifyに対応している決済サービスは多岐に渡ります。よく使われるものや特徴的なものとしては以下のようなものが挙げられます。
- Shopify ペイメント
- Apple Pay
- Google Pay
- PayPal
- Amazon Pay
- KOMOJU
- GMOイプシロン
- 携帯キャリア決済
Shopify ペイメント(Shopify Payment)
Shopify ペイメントとは
Shopify ペイメントは、Shopifyが提供する決済サービスです。
Shopifyストアにおいて国内外のクレジットカード決済に対応しているだけでなく、Apple Pay・Google Payにも対応しています。クレジットカードの対応ブランドは、Visa、Mastercard、American Express、JCBであり網羅性も高いです。
Shopify ペイメントの強みは「導入の手軽さ」と「決済手数料以外の取引手数料0円」の2つが挙げられます。
「導入の手軽さ」については、Shopify ペイメントは、Shopifyでショップを開設すると審査不要で誰でもすぐに設定が可能となっています。
設定は、Shopifyの管理画面から行えますし、開設初日からクレジットカード決済を導入できるのはとても魅力的です。また支払い状況もリアルタイムでShopifyの管理画面から管理でき便利です。
「決済手数料以外の取引手数料0円」については、プランごとの決済手数料に関する以下の表を参考にして頂ければと思います。
ベーシックプラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン | |
日本のオンラインクレジットカード手数料 | 3.4% | 3.3% | 3.25% |
海外/AMEXのオンラインクレジットカード手数料 | 3.9% | 3.85% | 3.8% |
JCBのオンラインクレジットカード手数料 | 4.15% | 4.1% | 4.05% |
取引手数料(Shopify ペイメント) | 0円 | 0円 | 0円 |
取引手数料(Shopify ペイメントを利用していない場合) | 2.0% | 1.0% | 0.5% |
この表から分かるように、Shopify ペイメントを利用していると決済手数料に追加でかかる取引手数料が0円となります。
一方でShopify ペイメントを利用せず外部の決済サービスを利用する場合、0.5%~2.0%の追加料金が発生します。
そのため、クレジットカード決済に関してはShopify ペイメントを利用するのがお得です。
なおプラン比較の詳細については、こちらの記事にて紹介しておりますので、あわせてご確認ください。
Shopify ペイメントを設定する
管理画面からShopify ペイメントを設定する方法をご説明します。
設定>決済
こちらの画面から「Shopify ペイメントを有効化する」を選択することでShopify ペイメントの導入は完了です。
※こちらの画面は導入後となっております。
またこのページから、Shopify ペイメントに含まれるApple PayやGoogle Payを有効化することもできますし、PayPalや携帯キャリア決済といったShopify ペイメント以外の決済方法の導入を申請することもできます。
Shopify ペイメント以外の外部決済サービス
ここでは外部決済サービスをご紹介します。
Shopify ペイメントでは対応していない決済方法を導入するために、外部サービスを導入することは、非常に有効です。
ただしShopify ペイメントを利用せず外部の決済サービスを利用する場合、0.5%~2.0%の追加の取引手数料が発生するのでご注意ください。
PayPal
- 対応決済方法
- クレジットカード決済
- 対応ブランド
- Visa
- MasterCard
- American Express
- JCB
- 銀聯
など
- 決済手数料
- 3.6%+40円(国内標準ルート)
- 振込手数料
- 0円(出金額5万円未満は250円/件)
PayPalは、Shopifyストアを開設した時点ですでに導入済みとなっており、すぐに利用することができます。
PayPal利用の最大のメリットは対応通貨の多さです。
22通貨に対応しており、海外のお客様の使用率が高いため、越境ECを検討している方には最適の決済サービスです。
Amazon Pay
- 対応決済方法
- クレジットカード決済
- 対応ブランド
- Visa
- MasterCard
- American Express
- JCB
- 決済手数料
- 4%(デジタルコンテンツ以外)
- 4.5%(デジタルコンテンツ)
- 振込手数料
- 0円
Amazon Payは他ECカートでは一般的に月額料金や初期費用などが必要となるケースが多いですが、Shopifyでは無料で導入でき、すぐに利用することができます。
Amazonアカウントを持っているお客様であれば、ログインするだけですぐに支払いを完了でき、Amazonを使う多くのユーザーにリーチできます。
KOMOJU
- 対応決済方法
- クレジットカード決済
- コンビニ決済
- 銀行振込
- Pay-easy
- スマホ決済
- キャリア決済
- プリペイド型電子決済
- 対応ブランド
- JCB
- Visa
- MasterCard
- Diners
- American Express
- 決済手数料
- クレジットカード決済 3.6%(Visa、MasterCard)、3.85%(JCB、Diners、American Express)
- コンビニ決済 2.75%
- スマホ決済 4%
- キャリア決済 6.6%
- プリペイド型電子決済 12%
- 振込手数料
- 216円(入金額3万円未満のときの日本国内への振込手数料)
KOMOJUを利用すると、幅広い決済方法を一括で導入できます。
特にコンビニ支払いを導入でき、その手数料は2.75%で、主要なコンビニでの決済が可能となります。
ただし決済方法によっては手数料が高くなるので注意が必要です。
GMOイプシロン
- 対応決済方法
- クレジットカード決済
- コンビニ決済
- 代引き決済
- GMO後払い
- キャリア決済
- 対応ブランド
- JCB
- Visa
- MasterCard
- American Express
- 決済手数料
- クレジットカード決済 3.2%~
- コンビニ決済 130円~/回
- 代引き決済 360円~/回
- GMO後払い 4.0%+180円/回
- キャリア決済 6.0%+月額1,100円(税込)
- PayPal決済 3.6%+40円/回+月額550円(税込)
GMOイプシロンも幅広い決済手法を提供していますが、代引きや後払いの決済サービスを提供しているのが特徴的です。
後払いは事業者側にとって代金回収リスクが伴いますが、GMO後払いでは売買代金の債権譲渡を受けて、請求書発行及び代金回収を行い、自社にとってリスクなく取引ができる安心のサービスです。
携帯キャリア決済
- 対応決済方法
- キャリア決済
- 対応ブランド
- NTT DOCOMO
- au
- Softbank
- 決済手数料
- 6.4%
- 15% (デジタルコンテンツ)
携帯キャリア決済を使えば、クレジットカードを持っていないお客様にもリーチ可能です。支払いは携帯電話料金と一緒に請求されるため、事業者にとっての代金回収リスクもありません。
自社に合った決済サービスを導入する
Shopify ペイメントを利用することで、手軽にクレジットカード決済を利用して頂けることはご理解いただけたかと思います。
またご紹介した外部サービスを導入することで、キャリア決済やコンビニ決済、代引きや後払いを選択できるようにもなります。
その他サービスについては、SBペイメントサービスを利用すると、楽天ペイやPayPay、AliPay国際決済に対応することができますし、BitPayやCyberSourceを利用すると仮装通貨による決済も可能になります。
こうした決済サービスを幅広く導入することでお客様の利便性が向上し、購入機会の増加する可能性は高いです。
しかし、むやみやたらに増やしすぎると、事業者にとっては売上の管理が大変です。
また、お客様にとっては重複したクレジットカードの選択肢があったりすると、どれで支払うべきか判断に迷い、カゴ落ちしてしまう恐れすらあります。
自社の顧客層や取引規模、また容認できる決済手数料に応じて、様々な決済サービスを比較検討し、なるべく必要最低限で導入していくとよいでしょう。
決済方法の考え方は、こちらで詳細にご紹介しておりますので、あわせて是非ご確認ください。